透析をしている食事療法はとても複雑で制限が多いなと感じているかもしれませんが、ポイントをおさえ、水分、塩分、カリウム、リンなどの取りすぎに気をつけタンパク質やエネルギーをバランスよく摂取できれば、全く問題ありません。
食事を楽しんでもらうため今回はポイントを3つにして押さえていきましょう
目次
栄養士の透析食事療法とは?
透析を受けていても通常の腎機能と同じ機能ということは難しく、透析補助するための食事療法です。透析導入後、摂取するタンパク質や水分、塩分、リン、カリウムの成分を調節し、腎臓がさらに悪化するのを防ぎます。
また透析から透析までの体重増加を防いだり、筋肉を落とさないための食事をとり、体調を整え、透析時に負担を軽減させることが目的の食事療法です。
合併症を進行させないためにも制限するものは範囲内で摂取し、食べても良いものの中でうまく摂取できるようにしましょう。
栄養士としての透析食事療法ポイント1 水分制限を心がける
透析食事療法でまず一番心がけることは、水分を摂取することです。
水分といっても直接摂取するお水やお茶だけではなく、水分の多い野菜や果物、煮物の水分も考慮する必要があるので注意しましょう。
逆に揚げ物は水分が少なくエネルギーも取りやすいので良いとされます。
水分のチェック方法として体重計測をまめに行い、どの程度の水分摂取が可能か把握することも大切になります。
こちらのサイトでは野菜や果物の水分量が多いランキングを見ることができます。
参考にしてみてください。
塩分の取りすぎにも注意しましょう。塩分を取りすぎると喉の渇きにより水分が欲しくなってしまいます。
栄養士としての透析食事療法ポイント2 たんぱく質の適正化
透析食事療法で次に大切なのはタンパク質摂取の適正化です。
そのために必要なことは、食材に含まれるタンパク質をしっかりと把握することが大切になります。またアミノ酸バランスの悪いタンパク質を摂取すると腎臓に負担がかかるため、アミノ酸バランスの良い良質なタンパク質である牛肉、鶏肉、鯛、サバ、鮭などの摂取がオススメです。
またリンの値が高くなってしまったと言う方はリンの制限も必要です。
しかし、リンを制限するとタンパク質も減らしていまいやすいことになってしまいます。
リンの値が高くなってしまった方には、リン/タンパク質比が低い鶏肉、豚ロース、豚もも肉などを選ぶようにしましょう。
タンパク質の量をしっかりと把握し、野菜やきのこ海藻類でボリュームを多くし、主菜食材以外にはタンパク質の食材を使用しないようにするといった工夫をすることで、食べ過ぎの抑制ができます。
栄養士としての透析食事療法ポイント3 低タンパク分解抑制のためのエネルギー確保
ポイントの3つ目として大切なことは、低タンパクの分解や抑制をするためにエネルギーを確認することです。
エネルギーが不足してしまうと筋肉など体内のタンパク質が分解され、たんぱく質を摂取した時に出る窒素化合物が増え、腎臓に負担をかけます。
そうならないためには低蛋白かつ高エネルギーの食品を把握し、調理方法を工夫する必要があります。
食材としては脂身の多い豚肉、魚がオススメです。また調理方法でエネルギーを確保するために、油を使用するとエネルギーが上がるので、揚げ物や炒め物といった方法はオススメです。
以上が栄養士として押さえておきたい3つの透析食事療法ポとなります。
栄養士として透析食事療法に悩んだ際などは、ぜひ参考にしてみてください。
栄養士くらぶ編集部
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