これで完璧！4つの栄養ケアマネジメントのステップ

栄養士として働き始めたばかりでケアマネジメントがスムーズにできない！そんな風に思われたことはありませんか？個人に合った栄養ケアマネジメントをしていくには、ひとつひとつしっかりステップを踏んでいくこと、対象者をよく観察して意味のある計画書を作成することが大切です。そこで今回は栄養ケアマネジメントとはどのようなものなのか、栄養ケアマネジメントのステップについて養成施設で学んだことのおさらいも兼ねてご紹介します。

栄養ケアマネジメント

栄養ケアマネジメントとは？

栄養ケアマネジメントとは、「対象者の栄養状態を判定し、改善すべき栄養上の問題を解決するために、個々人に最適な栄養ケアを行い、その業務遂行上の機能や方法、さらに手順を効率的に行うためのシステム」のことをいいます。栄養ケアマネジメントを行うにあたって、ケアマネジメントの流れやいくつかのステップを覚えることが栄養士としての価値を高めていくでしょう。

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栄養ケアマネジメントの流れ

栄養ケアマネジメントの流れとしてはスクリーニング、アセスメント、計画、実施、モニタリング、評価、フィードバックになります。
このシステムにのっとって管理栄養士は利用者の方や患者さんの栄養管理をしていきます。それでは栄養ケアマネジメントを大きく4つのステップに分けてみていきましょう。

栄養ケアマネジメント　ステップ1.情報収集

リスクの見極め

まずは対象者の情報を集め、栄養状態から改善すべきリスクを見極めていきます。これがスクリーニング、アセスメントになります。リスクを見極めることは対象者の栄養管理やケアマネジメントの第一歩となります。

家族や関連機関にも協力してもらう

対象者の方に直接聞いていくだけではなく、ご家族や関連機関の方にも協力していただき、栄養以外にも疾患や私生活についてできるだけ詳しい情報を収集したり、身体計測や臨床検査の結果を把握することでより対象者の栄養面でのリスクをあらいだして要因をつきとめていきます。

ステップ2．計画書の作成

3つの柱

スクリーニング、アセスメントによって判断したリスク改善のための計画を立てていきます。

1. 栄養補給
2. 栄養教育
3. 多領域からの栄養ケア・栄養プログラム

計画書を作成するにあたり、この3つの柱を意識して作成していきます。

計画書には小まめに情報を盛り込む

食形態や栄養量だけではなく、リハビリなどが必要な方にはその旨も計画書に盛り込んでいきます。計画書の作成は管理栄養士個人の判断だけではなく、ミーティングや担当者会議をひらき対象者に関わる人と一緒に栄養ケア計画について協議し、決定したプランを計画書として作成していきます。

質疑応答　⇒　サイン　⇒　実施

栄養ケアマネジメントの計画書は作成した内容について対象者や対象者の家族に説明し質疑応答も行い、ここで最終のチェックを行い納得していただいたうえでサインをもらいます。これで計画書の作成が完了し、計画実施へとすすみます。

ステップ3．計画の実施と評価

不備や問題点がないかをモニタリング

作成された栄養ケアマネジメントの計画書にのっとりプログラムが実施されます。実施していく中で計画書と対象者の栄養状態の改善において不備や問題点がなかったかをモニタリングし評価していきます。

ステップ4．フィードバック

内容の修正・削除を行い

対象者のアセスメントを再度実施し、ステップ3で評価した計画書の内容について変更や追加、達成された内容の修正、削除等を行います。修正した計画書について対象者や家族への説明を行いサインを頂き、計画書にのっとって実施、モニタリング、評価、フィードバックと栄養ケアマネジメントはこの繰り返しになります。

4つのステップを確実に踏む

評価までしたら終わりではなく、リスクの改善に向けて細かくステップ分けして栄養ケアマネジメントの流れを繰り返し確実にステップを踏んでいくことで、対象者の栄養状態の改善と生活の質の向上を目指します。

対象者の変化に合わせた計画書

栄養士としての最も重要な業務

対象者はヒトなので常に変化していきます。順調に進んでいた計画が後退してしまう事もあります。疾患を患っていたり、高齢になると実施の最中でも変更が出て計画書の再作成が必要になったりもします。常に対象者の状態をモニタリングし、対象者に合った計画書を作成していくことが、栄養士としての最も重要な業務です。

情報の収集が大切

献立作成や調理の実施、対象者の人数が多くなると計画書が対象者にそぐわなくなっていることに気づかなかったりもしますが、関連機関の方との連携をとってうまく情報収集を行い、対象者の栄養状態に合った栄養管理を実施していきましょう。