食品開発の仕事内容と求められる栄養士の人物像!

今回は数ある栄養士の就職先の中で、食品開発メーカーについてご紹介します。食品メーカーと言っていっても具体的にどういった仕事をしているか知らない方も多くいるのではないでしょうか?仕事内容や求められる人材などについてまとめてみました。就職・転職先として食品開発メーカーを考えている方はもちろん、他業界で活躍する栄養士の方にも参考になる情報があると思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。

食品の商品開発ってどんな仕事?


食品開発職は、新しい食を生み出す仕事です。食品会社やメーカーで働く栄養士は主に商品の企画・開発を主に行っています。食品開発の仕事は、食を提供するという意味では同じですが、病院や給食施設等と違う部分があります。それは、必ずしも「健康」に重きを置いているわけではないという点です。美味しさやコスト(利益)に重きを置いて開発業務が行われます。しかし、最近では健康意識の高まりによって「特定保健用食品」「栄養表示食品」「機能性表示食品」等、栄養素やその健康機能をアピールした商品の需要が高まっています。食品開発は「健康」に重きを置いているものや「美味しさ」に重視しているなど、様々な方向で栄養士の知識を活かせる場面が多いです。では、実際の仕事の流れを見ていきましょう。

商品の企画~販売までの流れ


商品の企画

単に「健康」を重視した商品を作っても、売れなければいけません。売れる商品を作るには、まず顧客ニーズをしっかり把握することが大切です。誰に商品を売りたいのか。どんな悩み・ニーズに応える商品なのか。価格はどうするか等をしっかりと調査し、どのような商品を作るか企画をします。営業部門やマーケティング部門と連携をし、売れる商品の分析を行います。各意見を出し合い、具体的なコンセプトを決めていきます。

商品の試作・試食

様々な調査をし、企画をした後は試作及び試食を行います。実際に試作・試食してみると企画の時点では見えてこない問題点が見つかります。問題点の改善に少なくとも数回~十数回の試作・試食作業が行われます。社内外のモニターを通じて試食アンケート等を取りさらなる改善を繰り返していきます。先にも述べましたが「健康」だけにとらわれず、美味しさやコスト面も考慮した商品作りが求められます。栄養士の場合は専門家としてだけでなく、消費者の立場で試食を行う姿勢が大切です。

商品化から販売へ

社内での試作・試食を経て商品化が決定すると、パッケージやデザインを決める作業も加わります。誰に向けた商品なのか、どんな人に買ってもらいたいのか等作り手の意図が明確に消費者へ伝わるようパッケージを考えます。栄養学の知識のみならず、商品を売るための知識が必要とされます。パッケージ作成と並行して、価格決めや販促戦略が練られ、お店に出されるようになります。

食品開発に求められる人物像


協調性

まずは1つ目は協調性です。一人では商品を開発することができません。開発はチームで動き、他部署と動かすことがほとんどです。一人で仕事をするイメージの強い開発ですが、チーム間の会議や情報共有がとても重要な仕事です。いい商品・売れる商品とは何でしょうか。それは、誰かの悩みに応えることができる商品。購入した人を満足させることのできる商品。価格以上の価値を実感できる商品ではないでしょうか。このような商品を作るためには様々な人の意見を取り入れ、その意見をまとめて形にする力が必要です。協調性があることは、チームで動き、いい商品を生み出す開発の仕事にとって不可欠な能力と言えます。

根気強さ

次に根気強さです。商品開発は、トライアンドエラーの多い世界です。一回の試作で商品が完成することは中々ありません。試作⇒改良を繰り返し、世に出せる商品になります。半年~1年位かけて商品として成長させていくため、すぐに結果がでません。売り上げが出るのはさらに先になります。中には早く結果が出るものもありますが、多くは根気のいる仕事が待っています。すぐに諦めず、完成まで商品開発に力を注げる根気が重要です。

好奇心

最後に好奇心です。新しい商品を開発することは、今までにない「新しさ」も求められます。食品以外の様々なジャンルに興味を持ち、流行情報にアンテナを張ることができる、好奇心旺盛さも開発業務には求められます。机上、社内のみで開発していてはどうしても視野が狭くなりがちです。開発者も様々な場所に出かけ、充実した時間を過ごすことで、より良い商品アイディアが生まれることでしょう。

栄養士に求められるスキルは?


栄養士は栄養学の知識を持つ専門家です。開発業務でも、栄養士には専門的な知識が求められています。インターネットの普及により、資格がなくても栄養学の情報を得るのは容易です。しかし、膨大な情報を精査し正しい情報のみを活かすことは、専門的な勉強をした者にしかできないことです。また、栄養学の知識と同じくらい、一般的なビジネススキルやパソコンスキル、マーケティングや市場調査などのスキルも必要です。両方のスキルを存分に活かし商品開発を行います。

栄養士が食品会社で働くために

栄養士に関わらず、食品の商品開発・メーカーは募集人数が少なく、倍率の高い仕事です。新卒から入職しようと考えた場合、管理栄養士の資格を持っていると少し有利になるようです。新卒すぐに開発に就けなくても、営業職など他業務をこなした後、人事異動等で開発業務に携われる場合も多くあります。いかがでしたか?一見華やかな世界に見える開発業務ですが、地道な調査・試作によって世に出せる商品が作られていることがお分かりいただけたでしょうか?開発に興味のある方の、お役に立てていれば幸いです。

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栄養士くらぶ編集部

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