保育園とアレルギー持ちの園児の付き合い方

昨今、共働き世帯が増え、保育園の需要が年々増加しています。首都圏では待機児童の問題も取りざたされています。保育園で働く栄養士の方もアレルギー対応を行うことが少なくないのではないでしょうか。
今回は、保育園に勤めている栄養士の方に向け、保育園におけるアレルギー対応についてまとめてみました。今後の仕事に役立つ情報があるはずです。是非最後まで目を通してみてください。

アレルギーを持つ園児が増えている


総務省の発表によると、幼稚園・保育園の約9割に食物アレルギーを持つ園児がいることがわかりました。アレルギーを持つ園児の割合は園児全体の約5.2%ですが、この数字は前回の調査に比べて増えています。
現在保育園では、厚生労働省が作成した「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に基づき、除去食や代替え食等で対応をしています。

食物アレルギーとアナフィラキシーショック

食物アレルギーとは、特定の食物を摂取した後にアレルギー反応を介して皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じる症状の事を言います。
症状としては皮膚や粘膜に発疹や赤み、かゆみなどがでることが最も多いです。
また、特定の食物を摂取した後に腹痛や嘔吐、息苦しさなどが複数同時にかつ急激に出現した状態をアナフィラキシーといいます。
中でも血圧が低下し意識レベルの低下や脱力を起こす状態はアナフラキシーショックと呼ばれ、直ちに対応しなければ生命に関わる重篤な状態であるとされています。
保育所におけるアレルギー対応ガイドライン

栄養士が気を付けないといけないこと


アレルギーは場合によっては死に繋がる大変危険な症状です。
事故を事前に防ぐために栄養士がすべきことを下記にまとめてみました。
これから働く方も現在働いている方もぜひ今一度確認してください。

アレルギーの原因となる食物の除去を徹底する

食物アレルギーは様々な症状を表しますが、その中の10%は緊急対応が必要となる、アナフィラキシーショックを起こす危険性があります。一人一人のアレルギー原因食物をしっかりと管理し、原因となる食物を食べないようにすることがとても重要になります。
そのため、
・調理手配表にアレルギー項目を記入。
・除去食・代替え食をまず先に作る。
・アレルギーのある子どものトレーは色分けするなど区別する。
・調理器具をアレルギーの有無で分けて使う等が調理上必要となり、栄養士は調理員への指導、監督、作業管理を行います。

組織的に対応する

保育園では最も早いと、母親の産休が空ける生後8週から子供を預かる場合があります。離乳食を保育園で初めて食べる子供も少なくありません。
また、乳児は標準的な診察や診断を受けていない場合が多く、食物アレルギーの有無がわからないことがあります。その場合、園で初めて口にした食品でアレルギー反応が出ることがあります。
保護者と保育者の連携はもちろんのこと、施設長・調理師・栄養士・嘱託医などが情報を共有し、組織的に子供のアレルギー対応を行うことが非常に重要です。
この点は、今年10年ぶりに改訂された「保育所保育指針」にも新たに追加されたところです。

アレルギーの子供がいる保育園での事故

先にも述べたように、9割の保育園に食物アレルギーをもつ園児がいることがわかっています。その中で5割の保育園がアレルギーの事故を起こしたことがあると総務省が報告を発表しています。
なぜ事故が起こってしまうのでしょうか?
その原因は、調理上や配膳ミスなどの人為的なものほとんどです。これをなくすには、確認を重ねることしかないと考えられます。
調理師・栄養士はもちろん、配膳を担当する保育士も一人ではなく、複数人で確認作業を行うことが事故防止に繋がります。
子供が大きくなってくると自分で食べられないものがわかり、本人が間違いに気づける場合もありますが、年齢が小さかったり、煮込み料理などで材料が分かりにくかったりすることで誤って口に入ってしまうことがあります。
子供が安心して元気に過ごすためにも、保育に関わる人の細やかな確認作業が重要となります。

食物アレルギーに対応した全員給食の実現

現在保育園の食事提供に関わる栄養士は、アレルギー事故が起こらないよう、日々最善の努力を行っていると思います。そして、事故の恐怖を日々の業務の中で感じているのではないでしょうか?
千葉県市川市のとある保育園ではアレルギーの有無にかかわらず、全員が同じ献立を食べる「全員給食」を実現しています。
全員給食は、食物アレルギーの原因となる食品をすべて献立から除くため、事故を無くすことができます。よって食事を提供する栄養士の不安や恐怖心を取り除くことができます。園児も疎外感を感じず食事を食べることができます。
半面、献立に使用できる食材が限られるため、提供できる料理の種類が減ってしまうことがデメリットとして挙げられます。
すべての保育園で実施可能ではありませんが、このような取り組みをしている園もあるようです。保育園で栄養士として働く、働きたいと思っている方の参考になれば幸いです。

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栄養士くらぶ編集部

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4 件のコメント

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