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ノロウィルスは栄養士・調理師の大敵!適切な予防法とは?
多数の人に食事を提供する現場に従事する栄養士・調理師。適切に感染予防が出来ないと集団感染を引き起こす可能性があります。
では、適切な予防方法とはどのようなものなのでしょうか?既にご存知の栄養士・調理師の方ももう一度確認してみて下さい。
ノロウィルスとは?
ノロウィルスは、人の小腸粘膜で増殖するウィルスです。厚生労働省のまとめによると気温の下がる11月~3月に流行する傾向にあります。
ごく少量(100個以下)のウィルスでも発症するほど感染力の強いウィルスです。保育園・学校・高齢者施設など集団生活の場では感染が広がりやすく、集団発生を引き起こす危険があります。
ノロウィルスに感染すると1~3日の潜伏期間を経て吐気・嘔吐や下痢、腹痛などの症状が現れます。発熱は軽度の事が多く2~3日で症状は改善します。
しかし、症状回復後1週間程度、長い場合は1ヶ月に渡って便中にウィルスが排泄されることがわかっています。
ノロウィルスの感染経路
ノロウィルスの感染する経路は大きく3つと言われています。
いずれも日常的な行動ですぐ感染してしまいます。前述した通りごく少数で発症してしまう為、各感染経路についてしっかり知っておきましょう。
1 人から人への感染
感染者の吐物・便の中に含まれるノロウィルスが手などについて、口から感染する場合や、吐しゃ物の飛沫から感染する場合があります。
非常に感染力が強い為、便・吐しゃ物には細心の注意が必要です。
2 人から食品、そして食品から人への感染
調理従事者の手から食品へ移り、それを食べて感染する場合があります。
3 食品からの感染
生や中心部の加熱不十分な二枚貝(カキ等)を食べて感染する場合があります。
二枚貝(カキ貝)は過熱を十分に通していても、大量に摂取してしまうと蓄積されていき発症するケースがあります。調理従事者はいくら食べたくても極力避けた方がいいですね。
栄養士・調理師が普段から心がけたい予防対策
ノロウィルスの接触をさけましょう。二枚貝を食べたことによる感染が数多く報告されています。
カキなどの二枚貝を食べるときは、生食を避け、中心温度85~90℃に達するようしっかりと加熱しましょう。軽く湯通しする程度ではノロウィルスは死滅しません。
施設によっては「カキなどの二枚貝は食べないように」と指導されるところもあるようです。施設の対策をしっかり守り、保菌者にならないよう十分配慮しましょう。
また、普段から手洗いを習慣づけましょう。帰宅後・調理前・食事前・トイレ後は必ず手洗いをすることが大切です。
ノロウィルスは低温・乾燥状態でも1か月以上生存することができます。生活の中で手指に付着してしまったウィルスを洗い流すことが、予防にとても効果的です。
タオルにも菌が付着している場合があります。毎日清潔なものに取り換え、手を拭くタオルを清潔に保つことが大切です。
ノロウィルスに感染しても症状が現れない人がいますが、これは免疫力が高まっている為です。
栄養士・調理師は3食しっかりと食事をとる。十分な休養をとるなどして、自身の体調管理をしっかりと行いましょう。
調理室における予防対策
感染したかもと思ったら調理に携わらないようにし、早めに医療機関を受診しましょう。
感染が確認されたら直ちに施設へ連絡し対応を仰ぎましょう。調理室内にウィルスを持ち込まないことがとても重要です。
感染しているにも関わらず、症状が現れない人も排泄された便中のウィルスで感染を広げてしまう場合があります。調理室での手指洗浄を徹底し、調理器具やタオルはよく洗浄後熱湯消毒を行うことが重要です。
ノロウィルスは熱により死滅しますが、しっかりと加熱した料理でも盛り付け後にウィルスが付着し、感染してしまう場合もあります。
目に見えないウィルスを付けないというのは非常に難しいですが、マスクの着用・使い捨て手袋の着用・衛生的な作業着の着用・食器の熱湯消毒などを行うことで予防することができます。
まとめ
ノロウィルスの予防・対策法はいかがでしょうか?ご存知の方も多かったかもしれません。これからノロウィルスの活発な時期になります。
栄養士・調理師は多数の人に食事を提供する現場に携わっています。栄養バランスの整った食事・美味しい食事と並んで、衛生的で安全な食事を提供する責任があります。
正しい知識と適切な対応で目に見えないウィルスと戦いましょう。日々の努力と対策は、喫食者の笑顔に繋がります。
栄養士くらぶ編集部
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