日本人は65歳を超えると高齢者の枠に当たります。ただ高齢者といってもまだまだ元気に運動している方や、寝たきりで在宅で過ごす方など活動量にとても個人差があります。ここではその個人差がある高齢者の必要カロリーの計算方法について、年齢や身体レベルに分けてみていきたいと思います。栄養士としてカロリー計算は必要不可欠なものであると同時に対象者にとってもカロリー計算は身体に大きく影響します。エネルギー量を計算する際にはこの記事をぜひ参考にしてみてくださいね。
高齢者のカロリーってどのくらい必要なの?
性別や身体レベルで高齢者の1日必要カロリーも変わる
栄養士として高齢者のカロリーを知ることは必要不可欠です。ただ性別やその方の身体レベルで必要なカロリーも変わってきます。まず、何をどれだけ食べれば良いかといった基準として厚生労働省がまとめている「日本人の食事摂取基準」ですが、2015年版から新しい方針としてエネルギーの指標をカロリーから身長と体重から産出するBMIに変更されました。体重を維持するためにはエネルギーの摂取と消費をバランスよくするといった考え方です。
高齢者の1日必要カロリーのBMIの設定
病気にかかりにくいBMI22を基準とし、また体格の個人差やライフステージに合わせた基準があり、それを反映したものとしています。
新基準では、望ましいBMIを維持できる食事量を基準としており、70歳以上高齢者では「21.5〜24.9」と設定しています。目標とするBMIの範囲内に体重を設定し、エネルギーを確保しながら肥満や低栄養予防に努めましょう。
身体活動レベルが低い人(70歳以上)
身体レベルが低い人の摂取カロリー
身体活動レベルがⅠで低い人は生活の大部分が座位で静的な活動が中心の生活をしている方です。少ないエネルギー消費量に摂取するエネルギー量を確保しなければいけません。男性では1850kcal女性では1500kcalという基準です。
効率よく高齢者の1日必要カロリーを摂取するためのポイント
身体活動レベルがⅠの方は活動量が低いにも関わらず、しっかりとしたエネルギー量の確保が必要です。低栄養やタンパク質不足で筋肉が低下しないように工夫が必要になる場合もあるでしょう。低栄養になると免疫力の低下などにもつながるので注意が必要です。
高齢者の1日必要カロリーの摂取にオススメの食品
おやつや補食として食事の間に食べてもいいですね。食べる量が確保できない場合、牛乳や大豆製品を使用したもの、野菜や果物を使用したものがいいですね。プリンや、サンドイッチ、ポタージュスープなどがオススメです。
身体活動レベルが普通の人(70歳以上)
身体レベルが普通の人の摂取カロリー
身体活動レベルがⅡで普通の人は座位中心の仕事で、職場内の移動や立位での作業、接客などあるいは通勤、買い物、家事、軽いスポーツをしている方です。男性では2200kcal女性では1700kcalです。
効率よく摂取するためのポイント
身体活動レベルがⅡの方は、食事量も食材も自分で選んで摂取することでとりすぎや不足を防ぐことができます。軽く体を動かすこともできるので自分で料理をしてみるのもいいですね。
高齢者の1日必要カロリーは大豆や乳製品を積極的に
タンパク質不足に注意して、大豆製品や乳製品を積極的に摂るようにしましょう。食材が偏らないよう、色々な食材を取り入れるとバランスよく摂取できますよ。
身体活動レベルが高い人(70歳以上)
身体レベルが高い人の摂取カロリー
身体活動レベルがⅢの高い人は移動や立位の多い仕事の従事者で、スポーツなど活発な運動習慣を持っている方です。男性では2500kcal女性では2000kcalと格段にエネルギー量が増えます。
効率よく摂取するためのポイント
身体活動レベルがⅢの方は、高齢者ではかなりの運動量がある方です。通常の食事だけで不足するようであれば、補食としてタンパク質やビタミンを補充できる果物や乳製品が良いでしょう。カフェオレやホットミルクなどや季節の果物がオススメです。
対策OK!高齢者の1日必要カロリー
いかがでしょうか?日本人の高齢者と言われる人たちは、年齢や性別はもちろんのこと、身体レベルも人それぞれです。栄養士としてそれぞれ個々の情報をしっかりとモニタリングすることでその人にあったカロリー計算をすることができます。特に病院や介護施設で働く栄養士の方々はカロリー計算は必須です。どのような方がどのような身体レベルでどうカロリー計算していくべきかなどをぜひ参考にしてみてください。
栄養士くらぶ編集部
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