食生活アドバイザーと栄養士の違いを比較・徹底解説!

高齢化社会になり、日本では食の関心が非常に高まっています。その傾向にともない、食にまつわる資格を探している方が昨今増えてきています。一般的には栄養士の資格がメジャーな資格ですが、食に関係する資格は多く存在します。今回は食生活アドバイザーという資格に焦点を当てて調べてみました!食生活アドバイザーとはどのような資格か、栄養士とはどう違うのかについてご紹介いたします。

食生活アドバイザーとは


食生活アドバイザーとは民間資格で「広い視野に立って食生活をトータルにとらえ、健康な生活を送るための提案ができる”食生活全般のスペシャリスト”」とされています。一般社団法人FLAネットワーク協会が主催している食生活アドバイザー検定に合格することで取得することができます。食生活アドバイザーには3級と2級があり、食育基本法をもとに栄養と健康、食文化と食習慣、食品学、衛生管理、食マーケット、社会生活についてそれぞれ学びます。食育アドバイザーは3級、2級の資格があります。1級もありそうに思えますが、現在は3級と2級のみになります。

食育基本法とは

食育基本法というと栄養士や食の勉強をしていない方にはどういうものなのかさっぱりわからないと思います。まずは食育基本法がどういったものなのかを説明していきます。食育基本法は食育に関する取り組みを推進するために制定された、33条から成る法律です。2015年に改正され農林水産省へ移管されました。食育基本法は、食育の推進に関する施策の実施を国の責務として定めており、各省庁は同法を意識した活動を行っています。食育基本法は「食育」の基本的な理念を示した法律です。食育とは「食事や食物に関する知識と選択力を身に着け、健全な食生活を送れるようにするための教育」のことを指します。ざっくりと食育基本法について下記にまとめてみました。

①栄養と健康
栄養や栄養素とは何かという基本的なことを学び、理解したうえで健康や疾病との関わりと運動と休養、心と身体の健康、生活の質の向上に向けて栄養面からのサポートについて学びます。

②食文化と食習慣
献立作成や調理の基礎を学び、実践に向けてのコツや工夫を学びます。調理、献立以外にも食事のマナーや行事食も学び食のあり方を生活の中に見出していきます。

③食品学
食品をそのまま摂取したり調理、加工して摂取し栄養を吸収して健康の維持増進を図っていく上で食品の特性を理解し食品の分類の判断できるようになります。
また、調理や加工する上で栄養や成分がどのように変化していくのかも学びます。

④衛生管理
食品の保存方法、調理方法やから食中毒を起こす菌やウイルスについても学び、食中毒予防ができるよう具体的な対策を習得します。

⑤食マーケット
食品の流通から販売までの流れを理解し、賢い食品の購入ができるようになるよう学んでいきます。

⑥社会生活
食に関する法律や、消費税といった身近な経済を学び、社会と消費生活について学んでいきます。

栄養士との違いは?


食生活アドバイザーと栄養士の違いの前に、栄養士とはいったいどういう資格なのかを簡単にご説明します。栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格で、いわゆる国家資格になります。栄養士は主に健康な方に対して栄養指導や相談を行います。イメージが付きやすいのが学校などにある給食施設で働く方でしょうか。給食施設の他に、病院や介護施設、児童福祉施設、行政機関で働いている方も多くいます。栄養士は名称独占といって、資格を持っていない方が栄養士を名乗ることはできず、まさに食と栄養のスペシャリストといっても過言ではありません。

食生活アドバイザーと栄養士

食生活アドバイザーと栄養士の大きな違いですが、食生活アドバイザーは民間資格で、栄養士は栄養士法で定められた国家資格だということです。栄養士は食育だけでなく栄養学から健康や疾病に関わる食の相談・指導を行うため、より専門的で栄養士の資格のみでも十分活躍できる資格です。
食生活アドバイザーは食育基本法に沿って食についての情報提供を行います。日々の暮らしに直結する食生活の知識を得られるので私生活や仕事で活躍出来ます。食に関わる多くの企業で資格取得が推奨されており、企業によっては資格取得によって手当がつく場合もあります。

食生活アドバイザーの活かし方


食生活アドバイザーの活躍の場は、身近な家庭から施設や企業といった社会まで多岐にわたります。家庭においては食材の選択から調理法を通して家族の健康をサポートすることができます。社会に出て活躍するには食生活アドバイザーの資格だけでは難しいのですが、栄養士や調理師などの資格と合わせることで施設や学校で食へのアドバイスをおこなったり、食品メーカーで食品開発に携わる際に活かすことができます。

ダブルライセンスがおすすめ


食生活アドバイザーの資格だけでも活躍できるフィールドはあるのですが、可能であれば複数の資格と掛け合わせて活用することをお勧めします。食生活アドバイザーはダブルライセンスで真価を発揮するので、組み合わせで活かすことが出来るオススメの資格をご紹介します。

食生活アドバイザーと栄養士

食品栄養素のプロフェッショナルとしてバランスの良い食事を提供できる栄養士ですが、更にそこに食生活アドバイザーの知識をプラスすると、栄養バランスのみならず食品の安全面や経済面などの栄養素以外の部分を様々な角度から健康的な食生活アドバイスすることが出来るようになります。この二つがあれば栄養士業界での仕事に就職しやすくなること請け合いでしょう。

食生活アドバイザーと調理師

調理師として料理を作るだけでなく、安全面と衛生面をしっかりと理解出来る食生活アドバイザーの資格を活かしながら料理を提供することが出来ます。調理師という資格にプラスアルファで食生活アドバイザーがあるだけでネームバリューにもつながります。また、両方の知識と技術を活かすことで食品業界への戦略としてメニュー開発を図ることも可能になるでしょう。

食生活アドバイザーと介護職員初任者研修

いわゆる介護施設で働くヘルパーは、高齢者や障害のある方の訪問介護をして料理をする機会が少なくありません。高齢者となると栄養管理や食事の準備など、難しい部分が様々ありますが、健康維持やカロリー計算、体力アップなどの症状に合わせたメニュー作り、安心して食べられる食材の提供が出来るようになります。日々の食生活のアドバイスも出来るので、高齢化社会を迎えた今の日本にはマッチしている資格の組み合わせと言えます。

食生活アドバイザーと保育士・教師

昨今では保育園や小学校などで「食育指導」をする機会が増えています。発育期における子どもたちの食生活は健全な心身を作るために非常に重要な要素となっています。保育園や小学校には栄養士・栄養教諭が常駐しているところがほとんどですが、保育園では保育士が園児の食事介助をする上で説明をしてあげたり、小学校で教師が昼食を食べるときに話をしてあげることで理解が深められるのではないでしょうか。

食生活アドバイザーの今後と有用性

今回は食生活アドバイザーについてご紹介いたしましたがいかがだったでしょうか。私生活でも使える資格なので、少しでも「食」に興味のある方は取ってみるのも良いと思います。仕事で活かす場合はダブルライセンスをお勧めします。既に栄養士の資格を持っていらっしゃる方なら、食生活アドバイザーの資格取得によってより就職活動に有利になります。栄養士の他にももっと良い組み合わせがあるかもしれません。これから食に関わる職に就きたいとお考えの方の参考の一助になれば幸いです。

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栄養士くらぶ編集部

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